Credit
Figure: Michael 4 (DAZ)
Hair: LyonHair (DAZ)
Clothing: WW2 German Infantry M3 (RMP) ,
special thanks cari.
「マイウェイ 12000キロの真実」
火と血の海だったノモンハン、酷寒と飢餓のシベリアを経て、情景は一変する。
ドイツ軍東方部隊として駐留する、おだやかなノルマンディーの海辺の景色。
信念を失い、不安に揺れた辰雄は、ここに至って、まるで別人のように穏やかだ。
生死不明で分かれたジュンシクを「友達」と呼んで探し求め、再会した時には、ただひたすら喜びの表情を見せる。
祖父の仇として憎み、蔑み、殺し合いさえ演じた朝鮮人とゆったりと会話し、
休憩時間に仲間たちとサッカーに興じ、イキイキとした、魅力的な笑顔を見せる。
国家からも民族からも、個人のプライドや執着といったすべての束縛から解かれた辰雄は、
やっと年齢相応の、本来の彼自身、素直で実直な青年に戻ったように見える。
連合軍の侵攻の噂に、辰雄はかつて自分を救ったために聴覚を喪ったジュンシクを「故郷に戻す」と決意する。
それは、これまでの自分の行いに対する償いの気持ちなのだろうか?
そうではないように、自分には思える。
結局、若くして戦場に駆り出された彼らは、仲間と自分の命を、
つないでは斃れ、伏しては手渡す命のリレーをしていたように思える。
決して仲間を裏切らず、助けようとするジュンシクは、その仲間達の命を受け取るようにして
このノルマンディまで生き残り、そして最後に辰雄に「生きる」事を託す。
「お前は生きろ」
というバトンを渡された、最後のランナーである辰雄は、最後にジュンシクとなって走る。
彼らは、生き延びるために他の誰かの犠牲を乗り越えてきたのだから。
ゴールに着いたとき、彼の瞳には何が見えたのだろう。
- 作品名
- NORMANDY -MY WAY-
- 登録日時
- 2012/03/31(土) 17:06
- 分類
- Admiration Odagiri