どっかで人生失敗した男ふたりのロードムービー……というには、主役ふたりに緊張感は皆無だわ、舞台はものすごく懐かしい東京の隅っこだわ、積み上げられた小ネタの山にニヤニヤ笑ったりと、見ていてほんわかする。映画「転々」は、どこか昔の大家族ドラマのようだ。
懐かしい、という感情は「あの頃はよかった」という気持ちの表れなんだろう。でも、その頃持つことができなかった思い出を、今擬似で体験する(せざるをえない)彼らの切なく追い詰められた感情がその裏にある。
幸せは失った時にかみしめるものだ。
見ている側も、やはりどこかに落としてきてしまった思い出をこの映画でかみしめるに違いない。
奇行に走る「普通の人々」を眺めるうちに、何かを得て、福原を必死で探す文哉の表情が生まれたのが切ない。
思い出は、今が幸せであるために存在している。失って初めて実感するために偽の幸せを体感する。でもそれこそが幸せ。
そんな切ない映画だった。
Ten-ten
Date:2008/05/10
Application:Poser7J Adobe PhotoshopCS2
Credit
Figure: Michael 3 Reduced Resolution (DAZ)
Charactor:
Hair: SimpleHairMike by StudioMAYA (& Retouch)
Clothing: WinterJacket for M3 by Kyotaro/M3 Mods Suit & M3 Sidegor Boots & M3 Black Slim(BillyT)
- 作品名
- Ten-ten
- 登録日時
- 2008/05/10(土) 08:21
- 分類
- Admiration Odagiri